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蒼天の拳リジェネシス 第1話(2)
2017年10月27日(金)


蒼天の拳リジェネシス 第一話感想の続きです。



攫われたエリカを助けるため、オランダ軍の戦艦に落下傘で降りてきた拳志郎。

超久々の拳さんとの再会の余韻に浸る間もなく、続けざまにもう一人の男が上空から舞い降りてきた。







ヤサカだぁ!!

ヤサカさんだぁ!!

お久しぶり!!!



もうヤーマのお墓に勾玉は届けたのか!?







ちょっと、おいまさか・・・この展開は・・・
拳志郎とヤサカが共闘するのか!?
色々あった二人が、今やこんなバディ関係になっていようとは・・・

と思いきや、到着早々喧嘩を始める拳志郎とヤサカ。エリカが心配でジッとしていられなかったんだろうと図星を突かれたヤサカは、その恥ずかしさを誤魔化すためにドシリアスに拳志郎と睨み合う。


いや・・・あんた拳さんにコテンパンに負けたでしょ。
もう完全に格付け済んでるでしょ。
宗武に



って言われるくらいに戦力差あったじゃないすか。

なのによくそんな五分五分感出せたな。


・・・・いや待て、この1年でヤサカだって強くなっているのかもしれない。ヤーマの墓に行った時に何かすんごいパワーもらったのかもしれん。そういやあそこには西斗月拳の伝承者と高弟12人の霊が祀られていた筈。スリラーパークのルフィやエアマスターの渺茫みたいに身体に霊をパンパンに詰め込んで強くなった可能性も捨てきれない。



一方、連続で飛び蹴りを喰らわされた上に、自らを無視して喧嘩を始められたボー将校はブチ切れ。だがそこは阿蘭陀紳士のたしなみ。怒りを抑えながら、おもむろに懐から手帳を取りだし、二人の素性を確認する。




 手帳小さっ!! 情報少なっ!!

上海を震撼させた閻王の情報がA6サイズ1ページに収まるわけないだろ!プロ野球名鑑やないねんから!ていうかボーさんオランダ人なのに漢字読めるんですかね。

どうでもいいけど「北斗」と「西斗」を並べて記述されると、なんだかうちのサイトを宣伝して頂いてるみたいですね。あざっす。




ここに至ってようやく事態の重大さに気づき、今更ながら二人を取り囲んで銃を構える優秀(笑)なオランダ海軍達。しかし長年上海ヤクザを相手に立ち回ってきた拳さんにそんなものが通用するはずは無い。きっとまたガラス片でピピピッとやったり、雷暴神脚で包囲網から脱出するなりして華麗にこの危機を・・・

と思いきやヤサカのコートの内側に大量の手榴弾を仕込むというジャッカル式防衛術で銃を封殺するのだった。

ま、まあ相手が戦艦だからね・・・これくらいの準備は要るよね・・・



「ドッカーン!!」という大声で兵士達をビビらせ、その一瞬の隙をついて兵士全員に秘孔 新胆中を突いて動きを封じる拳さん。そう、マミヤの村でトキがケンシロウを金縛りにしたあの秘孔です。敵1グループに突いてるから、FCのRPG的に言うと新胆波ですね。

そんな木人形と化した役立たずの部下達に対し、鋼鉄の蛇腹鞭を一閃するボー。次の瞬間、周囲に居た数十人の部下達は、映画ゴーストシップの冒頭シーンばりに肉体を切断され、甲板に肉片を撒き散らした。その圧倒的な殺傷力の前に、流石の拳志郎とヤサカも表情も強張らせる。


しかし、その程度で拳志郎が怯むはずは無かった。


「エリカは朋友から託された・・・俺の大事な娘だ」


飛燕から託されし「娘」を泣かせた罪・・・・
その代償を、ボーの身をもって償わせようとする拳志郎。


やばい・・・泣ける・


ところで飛燕と言えば・・・ちょっと気になってるんですが、
今回なんかヤサカの喋り方が変じゃないですか?


語尾をやけに「なぁ〜〜〜〜」と伸ばしてみたり、「だぜぇ」とか「やるずぇ」て感じにキレが悪かったり・・・君そんな喋り方だったっけ?

もしかして飛燕の訛り口調を真似てるのか?
ヤサカもヤサカで、彼なりのやり方で飛燕の意思を継ごうとしているのだろうか・・・。完全に方法間違ってるような気もしますけど。




ボー将校の高速鞭ラッシュを難なく躱し、「スローすぎて眠っちまいそう」というどこかで聞いた事のある台詞で煽る拳志郎。そして次の瞬間、ボボオンという音と共にボーの両掌に大きな風穴が開いた。最初の攻防で、既に拳志郎はボーの秘孔を突いていたのである。

もはや勝負は決した。
戦意を失ったボーの身体に向け、拳志郎の裂帛の連続拳が炸裂する。






北斗鋼筋破断拳!!



新技キター!!


全身の筋肉を「退化」させる奥義・・・北斗鋼筋破断拳。
効果や名称からして、北斗鋼筋分断脚の上位技といったところかしら。

「退化」というのがイマイチ良くわからないが、ボーの筋肉がみるみるうちにしぼんでしまった点を見るに、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状を早回しで起こすような感じなのかもしれない。アイスバケツチャレンジで注目された難病ですね。

でも、うーん・・・技としてはいいんだけど、名前がイマイチな気が。
筋肉を「縮ませる」技なのに「"破断"拳」てネーミング的にどうなの?
なんかモヤモヤするっす。



全身の筋肉をしおしおのぱーにされ、さらに天高く打ち上げられたボーは、そのまま強烈に甲板へと打ちつけられて気絶。

次に目覚めたとき、彼がいたのは、巨大主砲の砲口の中であった。

砲弾を撃てばその身体は木っ端微塵。同時にその一発が彼の弔砲にもなるという超お得なバリュー方式の処刑に晒されるボー。そんな被南斗人間砲弾状態となったボーに対し、拳志郎のドSな尋問が始まる。

え?命門や上顎や解唖門天聴を使えばいいじゃないかって?

そんなんつまんないじゃん。
全部秘孔で解決してたらアルナイのくだりも生まれなかったんだよ?




オランダ軍の狙いは、やはり希望の目録であった。

希望の目録・・・それはヒトラーが血眼になって探している、ユダヤ人達が隠した2万点にも及ぶ美術品の在処を示す、エリカの記憶にのみ現存する文書・・・

だがその目録には、拳志郎達も知らない「本当の価値」があるのだという。

それを探しだすため、ボーらに命令を下していた彼らの「王」・・・。

それは、高貴なる血を引く一族の者であり

そしてエリカもまたその血を引いているのだった。






エリカが・・・実は特別な血族・・・?

デジャヴ!!

なんかすごいデジャヴ!!

ボクこういう話、どっかで聞いたことある!




弔砲処刑の脅迫に負け、観念したボーが「王」の名を口にしようとしたその時、突如その体が激しく痙攣を始めた。やがて力を失い、ぐったりと頭を垂れるボーであったが、次の瞬間、その身体にボーではない"何者か"が憑依し、語りだした。


「愚民ども………これ以上我に近づくべからず……
 さもなくば……大いなる罰が下されん」



そう言い終ると、まるでその役目を終えたかのように、ボーはその立派な鼻をパンパンに膨らませながら顔面を爆発四散させて死亡したのだった。


ボーを死に至らしめたそれは、紛れも無く北斗の術・・・。おそらく特定のキーワード、今回の場合はその「王」の名前を口にしようとしたことで効果が発動するという秘孔を突かれていたのだろう。


うん・・・ていうか、また北斗が相手なのかい?

北斗神拳に流派は無いとは一体なんだったのか。
シュケンが心を血に染めて行った惨殺劇は一体何だったのか。
一子相伝?門外不出?どこがやねん。ガバガバやないか。




名前こそ聞くことはできなかったものの、ボーは死ぬ前にその「王」の居場所を口にしていた。

それは東インド・・・つまりはインドネシア

オランダ領であるその国に行くことは、敵のアジトにつっこむも同然。
だがもはや拳志郎の腹は決まっていた。

名物ナシゴレンを食うため・・・
エリカと同じ血を引くという者達を探すため・・・
希望の目録に隠された本当の価値を知るため・・・
そして、突如現われた「北斗の拳」の正体を確かめるため・・・

北斗の血の導きのままに、拳志郎とヤサカはインドネシアへと舵を取るのだった。




というわけで第一話はここまで。
早くも続きが気になって仕方がありませんが、とりあえずナシゴレン食べたくなったのでベビーフェイス行って来ます。



【総括】


予告の一枚絵を原先生御本人の画と見紛えた時から、これは良い作品になるとは確信してましたが、その想定以上の面白さでした。

まずやっぱりその絵の上手さに全力で拍手させてほしい。扉絵はともかく、漫画になると流石にクオリティ落ちるのでは?などという一抹の不安を全て吹き飛ばしてくれました。読んでるうちに、これが原先生の絵じゃないんだって事を脳が失念してしまうレベルですもん。絵だけじゃなくてちゃんとコマ割りとか作風もしっかり完コピできてるからなんでしょうね。いやほんと、本気で凄いですよ。アシスタント飛び越えてゴーストライター説が出てくるレベルですよ。
一つだけケチつけさせてもらうなら、あまりに忠実すぎて、エリカの体型がラストピースのリンばりのヒョロガリになってしまってるのは要らなかったかな、と。なんで最近こういうタッチにならはったんやろか。

ストーリーの方もこれ、相当期待しちゃっていいんじゃないでしょうか。第一部はホームタウンである上海を舞台にしたストーリーであり、かなり無茶苦茶していたとはいえ、一応は文明社会であるため、敵組織との戦闘も暗殺の応酬のようなシブい内容のものが多かった。それに対して今回は中国を飛び出してオランダ軍との正面きっての殴り合い。どちらかというと北斗の拳に近い、大軍団を相手にした大立ち回りのような戦闘も期待出来るわけです。シブいのもそれはそれでいいんですけど、拳志郎にもっと派手に闘える舞台を与えたらどうなるのか、メチャクチャ興味あるんですよね。折角新しいストーリー始まったのなら、第一部とはまた違う拳さんの活躍ぶりを見てみたいじゃないすか。

唯一気になるのは、今の所ちょっと既存の北斗、蒼天からのオマージュと思われるシーンが多いところかしら。別に駄目とは思いませんけど、連続すると流石にちょっと、新鮮味も欠けてきちゃいそうな気が。まあそのへんはね、繊細な部分ですからね。少しオリジナルの尺度を間違えたら「拳志郎はそんな事しねーよ」みたいな意見がワッサー浴びせられちゃうご時世ですから・・・人の事は言えませんけど。つーか拳さんなんてもう蒼龍天羅やっちゃった時点でほぼ何でもありなんだから、好き勝手に描いちゃっていいと思います。やったれやったれ。




今号には、リジェネシス連載開始に対しての原先生のインタビューも掲載されていました。

先生によると、計画としてはリジェネシスよりも新作アニメのほうが先であり、アニメに合わせる形で新連載の話が持ち上がったのだそうな。また、先生はもともと拳志郎を死なせる予定であり、前の連載ではそれが出来なかったが故に、自身の中ではまだ蒼天の拳は完結していなかったらしい。そして今回はその念願(?)である拳志郎の死を軸に、そこから逆算して物語を構築しているとのこと。
つまり、もはや拳志郎の死は回避不可能ということなんですね・・・
それはそれで淋しいですね、やっぱり。



あと、11月26日より「マンガほっと」で連載開始する
「北斗の拳 拳王軍ザコ伝説(仮)」の第一話が少しだけ掲載されていました。
名も無き一般市民が、嘘求人に騙されて拳王軍に入ってしまうというギャグストーリーのようです。

もう北斗のギャグとかオナカ一杯だよ〜と思っていたのですが、冒頭からザク様が登場し、しかも進行役のようなポジションを与えられていたので、掌返して応援していくことにしました。

しかしこんな描きこみ量多いキャラを準メインにしちゃって大丈夫なのかしら。






あと、拳王軍がフドウの村に押しかけた際にいた、額に拳王軍マークを彫るという、ひときわ拳王軍愛に溢れたモヒカン兵の名前が「バーズ」であることが明らかになりました。

口が臭いらしいです。



またデータベースが潤ってしまうのか・・・。



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